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おもむろに研究 そこはかとなく描く

Snow White

Nikomat EL, Ai Nikkor 50mm F1.4S, SUPERIA PREMIUM 400
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雪の日の話。


(写真は昨年末の大雪の風景)






昨日、つくばでは雪が降っていた。
前の日の天気予報を見ながら信じられない気持ちだったが、予報通り雪が降った。
雪が降ると思い出す話がある。


Nikomat EL, Ai Nikkor 50mm F1.4S, SUPERIA PREMIUM 400
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僕は九州生まれの九州育ち。
そのため雪には全く馴染みがない。
小学生の頃、雪が降って校庭に積もると授業が休みになって雪合戦をしていた事を覚えている。
それくらい雪が降る事は特別な事だった。

それともうひとつ。
雪が降った日の朝に起こる事。
それは、親父のテンションが異常に高くなる事。
いつもは僕らより遅く起きていた親父だが、
何故か雪が降った日だけは親父が僕らを起こしに子供部屋まで来ていた。
僕らは親父のテンションの高さに負けて眠いながらも布団から出て、
朝ご飯も食べずに雪で遊ぶのである。
別に口に出して確認していた事ではなかったが4兄弟で共有していた思いは、
「何故親父はこんなに雪が好きなんだ?」
ということ 笑


Nikomat EL, Ai Nikkor 50mm F1.4S, SUPERIA PREMIUM 400
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雪が降ると親父はおもむろに定規を探してきて、積もった深さを測る。
そしてそれを寝ている僕らの枕元で囁くのだ。
「おい、温和。今日の雪は15cm積もってるぞ。」
ってな感じで。

何が親父のテンションをそこまで上げているのかは全く不明だが、それは今も変わっていない。
母親に聞いてみたが母親も全く分からないようだった。
祖母に聞いたらこう言っていた。
「そりゃあいがちぃさかときからすきじゃもん」
つまり、理由は誰も分からないという事。

昨年末、実家の九州で大雪が降った(九州ではこれでも大雪☆)。
その前の晩から降り積もった雪は例外なく親父の気持ちを多いに高ぶらせ、
その朝僕ら兄弟のみならず、姪や甥も起こしに来てこう囁いた。
「おい、今日の雪は雪だるまが作れるぞ (爆裂興奮)」

つまり、絶対に作るということである。


Nikomat EL, Ai Nikkor 50mm F1.4S, SUPERIA PREMIUM 400
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こういう誘いに敏感に反応するのは僕の役目だったが、今回は二児の父親である兄貴の方が俊敏だった。
九州で子供に大きな雪だるまを作ってあげれるチャンスはそうそう無い。
訳は分かっていない姪と甥だが、経験や記憶が財産となる時期。
大人は必死で雪だるまを作り(勿論じぃじが先頭で)、子供は外野でキャッキャと騒いでいた。


Nikomat EL, Ai Nikkor 50mm F1.4S, SUPERIA PREMIUM 400
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鼻にニンジンを挿して雪だるまは完成した。
姪と同じ丈ほどもある、二人の親父の思いの詰まった大きな雪だるまだった。
by onwa-nukukazu | 2011-03-09 00:04 | family, relatives