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おもむろに研究 そこはかとなく描く

deaeration

α-700 MINOLTA 35mm F2 new
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今日は化学のことをつらつらと。。。





写真は「deaeration = 脱気」をしているところです。
化学を少しやったことのある方なら、あぁ〜、となるアレ。

分光器を使った測定の中には、見たい現象を酸素によって邪魔されることがあります。
ですから、不活性ガスと呼ばれる窒素やアルゴンを密閉容器の中で吹き込んでガス置換をするんです。
化学の実験って、まわりの方々はどんな受け取り方をするんでしょうね。
映画とかテレビとかではインパクトを稼ぐ瞬間ですから印象的なものが多いですが、
実際の現場ではひたすら地味な作業が続くことが大半です。
「ボ〜ンッ」とかいって何かが爆発して世界初の物質が出来てしまっても、実際は困るのです。
化学で最も大切なことに「再現性」というものがあります。
世界中のどこで誰がやっても同じ結果を与えなければならないのが化学です。

その点、写真とか芸術は自分特有の、その場でしか得られない瞬間を捕らえようとしますね。
それは気持ちであったり、景色であったり。

でも、求める美しさは何となく同じものがあるように感じています。
どちらもやっているのは人間。
受け取る側も人間。
統一される美しさ。普遍的なものを見つけようとする所作。
真理に辿り着こうとする歩み。

だとしたら、どちらも終わりがなく、
私達に残されているのは「選択」だけなのかも知れませんね。
事実と真実は違うように思うんです。

最後は、信じるんだと思います。
by onwa-nukukazu | 2008-09-16 13:44 | chemistry